第1節 総 則 |
1 計画作成の趣旨 (1) 計画の目的 この計画は、原子力事業所の事故等による放射性物質の拡散又は放射線の影響に対して、東日本大震災における原子力災害等を教訓に、県、防災関係機関、原子力事業者及び住民と相互に協力し、総合的かつ計画的な防災対策を推進することを目的に策定する。 (2) 定 義 この計画において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 ア 「放射性物質」とは、原子力基本法(昭和30年法律第186号)第3条に規定する核燃料物質、核原料物質及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭和32年法律第167号。以下「放射線障害防止法」という。)第2条第2項に規定する放射性同位元素並びにこれらの物質により汚染されたものをいう。 イ 「原子力災害」とは、原子力災害対策特別措置法(平成11年法律第156号。以下「原災法」という。)第2条第1号に規定する被害をいう。 ウ 「原子力緊急事態」とは、原災法第2条第2号に規定する事態をいう。 エ 「原子力事業者」とは、原災法第2条第3号に規定する事業者をいう。 オ 「原子力事業所」とは、原災法第2条第4号に規定する工場又は事業所をいう。 カ 「特定事象」とは、原子力災害対策特別措置法施行令(平成12年政令第195号)第4条第4項各号に掲げる事象をいう。 キ 「要配慮者」とは、高齢者、障がい者、傷病者、外国籍住民、児童、乳幼児、妊産婦等のうち、必要な情報を迅速かつ的確に把握し、災害から自らを守るために安全な場所に避難するなどの災害時の一連の行動をとるために支援を要する者をいう。 (3) 計画の推進及び修正 この計画は、原子力災害に対処すべき基本的事項を定めるものであり、各機関はこれに基づき実践的細部計画等を定め、その具体的推進に努める。 また、防災に関する学術的研究の成果や発生した災害の状況等に関する検討と併せ、その時々における防災上の重要課題を把握し、災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第42条の規定に基づき、毎年検討を加え、必要に応じて修正を加え、本計画に的確に反映させていく。 (4) 計画の対象とする災害 長野県内には、原子力事業所が存在せず、また、他県にある原子力事業所に関する「予防的防護措置を準備する区域(原子力事業所からおおむね半径5q)」及び「緊急防護措置を準備する区域(原子力事業所からおおむね半径30q圏内)」にも県の地域は含まれないが、東日本大震災における原子力災害では放射性物質が緊急防護措置を準備する区域より広範囲に拡散し、住民生活や産業に甚大な被害をもたらしている。 こうした経過を踏まえ、原子力事業所の事故により放射性物質若しくは放射線の影響が広範囲に及び、町内において原子力緊急事態に伴う屋内退避若しくは避難が必要となったとき、又はそのおそれのあるときを想定して、災害に対する備え、応急対策及び復旧・復興を行う。 2 防災の基本方針 町は、県からの情報収集、住民等への連絡体制の整備、モニタリング体制の整備、健康被害の防止、緊急時における退避・避難活動等、原子力災害に対応した防災対策を講ずる。 3 防災上重要な機関の実施責任と処理すべき事務又は業務の大綱 (1) 実施責任 ア 町 町は、防災の第一次的責任を有する基礎的地方公共団体として、町の地域並びに地域住民の生命、身体及び財産を保護するために指定地方行政機関、指定公共機関等及び他の地方公共団体の協力を得て防災活動を実施する。 イ 県 県は、市町村を包括する広域的地方公共団体として、県の地域並びに住民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、指定地方行政機関、指定公共機関、指定地方公共機関等及び他の地方公共団体の協力を得て防災活動を実施するとともに、市町村及び指定地方公共機関等が処理する防災に関する事務又は業務を助け、かつ、その総合調整を行う。 ウ 原子力事業者 原子力事業者は、原災法第3条の規定に基づき、原子力災害の発生の防止に関し万全の措置をとるとともに、原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)の拡大の防止及び原子力災害の復旧に関し、誠意を持って必要な措置を講ずる。 エ 防災関係機関 指定地方行政機関、陸上自衛隊第13普通科連隊、指定公共機関、指定地方公共機関及び公共的団体等は、他の災害対策と同様に、相互に協力し、防災活動を実施又は支援するものとする。 (2) 処理すべき事務又は業務の大綱 ア 町
イ 県
ウ 原子力事業者
エ 防災関係機関 指定地方行政機関、陸上自衛隊第13普通科連隊、指定公共機関、指定地方公共機関及び公共的団体等が特に原子力災害対策として処理すべき事務又は業務は、第1編第4節「防災上重要な機関の処理すべき事務又は業務の大綱」に準じる。 |